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セリフは「かっこいいもの」と勘違いしていた頃を告白

初めてのセリフで注意されたことを書きたいと思います。たくさん教えていただいた中から、特に僕の直すべきポイントとなった4つを書きます。

  1. 相手にきちんと伝えること
  2. 声のボリューム
  3. 声のトーン
  4. 相手役とのやり取りの中で「言われている気がするか?」

本番までの3ヶ月間、僕はこの4つを意識し稽古してきました。今回は1つ目の相手にきちんと伝えることを書きます。

 

相手役に伝えることの難しさ

 

セリフは「かっこいいもの」と勘違いしていた頃を告白する2

どうしても、お客さんを意識した芝居になってしまいます。自分を「かっこ良く見せたい!」「目立ちたい!」「上手に見せたい!」などの邪念が入りセリフが相手に向かいません。自分ではそんな気はないのですが。。。不思議なものです。僕自身がどう見えているのかも役者は知っておかなければならなかったのです。なので注意された点は、まずは役が伝えたいことを僕自身がしっかりと理解してあげることでした。役の気持ちを理解してあげて、代わりに僕が伝えてあげる。という考え方を教わりました。

とにかくリアルであることを前提に作品を作っていく演出はとても魅力的で楽しいものでした。お客さんを「とあるアパートの一室を覗き見している感覚にさせたい」という演出は見ている側をドキドキさせます。普段の生活で覗き見したらドキドキしますよね(笑)演じる側はナチュラルを要求され、お互いの関係性をリアリティーのあるものにしていきます。とは言え、普段の生活の中でやっていることをすれば良いのです。しかし日常では自然に出来ていることが、芝居になると出来ないことに気付きました。

 

まずは聞いて感じること

 

sheet music and earbud headphones

日常では自然と相手に集中しています。しかし、芝居だとそれが難しいことに気付きました。もちろん人によって違うと思いますが僕の場合は自分の方に意識がいってしまいました。五感を使って相手を感じようとするのですが、気付いたら自分の方に意識がいってしまうのです。日常に置き換えた良い例えが出てきませんが、これも役者ならではの不思議な体験だと思います。特に出来ないことは相手の言葉を聞くことでした。聞いても、何も思わないし感じないのです。感情も生まれない。ちゃんと聞こうと思えば思うほど聞けないことに衝撃をうけました。セリフを言うには、まずは聞いて感じることが大切だと思いました。

 

修正するために努力したこと

 

セリフは「かっこいいもの」と勘違いしていた頃を告白する3

このような症状に落ち入った時にアドバイスをいただきました。発想を転換するアドバイスです。

  • お客さんを気にしないこと。演じる空間には自分と相手役しかいないと思い込みます。そのための戦略として声のトーンを低くし、ボリュームも落とします。そうやって会話していくことで少しずつ相手役とプライベートな空間が生まれたように感じ、結果的に集中出来ました。満足のいく結果には程遠いですが、稽古場で実験できることがとても楽しかったです。
  • 相手役と一緒に遊ぶ発想を持つこと。舞台で決められた動きを一度なくして、役から外れても構わないので、相手の気持ちを誘導させてあげるように演じます。お互いがお互いを意識し合って誘導しようとするので自然と集中していました。エチュード(セリフやその他の設定もない即興劇)に近い状態です。
  • チームプレーをすること。当たり前のことですが、演技にもリズムがあり、セリフをテンポよく続けていくことで今までにない不思議な感覚を味わいました。リズムを崩してはいけないゲームのような感覚です。とても演技をしているようには思えませんでした。しかし、自分のことを一生懸命考えて演じるよりも、リズムよくセリフを言っている方がかえってお話が伝わりやすくなります。舞台は生きた、生なものを感じました。

以上のことで全て解決。とはいきませんが人間の生理や体の仕組みを少し知ることが出来ました。普段の生活で自然と感情が生まれ、意志が生まれ、行動していく人間が面白いと思い始めました。