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シャニダールとは、映画「シャニダールの花」を観て感じた人と花の関係

シャニダールとは一体なんだろうか。この作品は美しい花と人間の関係を見ることができます。人はどんな時に花を見たくなるでしょうか?普段の生活で花を必要とする時はいつでしょうか?人と花の関係は遥か昔からあったのかもしれません。

 

シャニダールとは

 

シャニダールとは、映画「シャニダールの花」を観て感じた人と花の関係

イラク北部にある洞窟遺跡。

1950年代にアメリカの人類学者ラルフ・ソレッキらが調査したもので、4層の文化層の最下層(D層)からネアンデルタール人の化石と8種類の花粉が発見されました。約5〜6万年前のもので人の骨と花粉が一緒に発見されたのは初めてのことだそうです。ラルフ・ソレッキは遺体に献花されたものだと予想しましたが、真相は未だはっきりしていません。

 

心の発生の地

 

シャニダールとは、映画「シャニダールの花」を観て感じた人と花の関係3

このことから、ネアンデルタール人には死者を悼む心があり、遺体に献花したり副葬品として花を添える習慣があったのではないかという説が出ました。そのことから、もっとも古いお墓として伝えられています。

今までネアンデルタール人は知能が低く野蛮で獣的だという説がありました。もし、本当に遺体に花を添えていたのならネアンデルタール人の心を観ることが出来ます。なくなった人に対して悲しんでいたのかもしれません。このことからシャニダールは人の心が生まれた「心の発生の地」と言われています。

 

 

オープニングから斬新な映像とロックな音楽はインパクト大です。

美しい花は魅力的であると同時に恐ろしいものだと思いました。植物の生命力が力強く感じる作品です。

日本アカデミー賞、最優秀賞受賞の映画「舟を編む」で知った辞書の作り方

3月7日に第37回日本アカデミー賞授賞式が行なわれました。石井裕也監督の「舟を編む」は作品賞、監督賞、脚本賞(渡辺謙作)、主演男優賞(松田龍平)、録音賞(加藤大和)、編集賞(普嶋信一)の6部門で最優秀賞を獲得しました。他にも毎日映画コンクール日本映画大賞、報知映画賞作品賞、日刊スポーツ映画大賞作品賞など数々の賞を受賞しています。

以下、ネタバレです。

 

辞書ができるまで

 

日本アカデミー賞、最優秀賞受賞の映画「舟を編む」で知った辞書の作り方

言葉の意味を知りたいとは誰かの考えや気持ちを正確に知りたいということです。
それは人と繋がりたいという願望ではないでしょうか。

この映画で一番心に残った台詞です。

辞書を作るにはもの凄い時間と労力を費やします。もちろん模倣は禁止です。時代とともに生まれてくる言葉や、使わなくなった言葉を入れ替えなければいけません。そして最もわかりやすい文章で書きます。なので仕事の時間以外のプライベートでも、知らない言葉や分かりやすい解説が見つかるとメモをとります。耳を澄まして周囲の会話を聞いている姿を見ると休みのない大変な仕事だなと思います。言葉の奥深さや難しさを痛感しました。出来上がった辞書はスタッフが何度も目でチェックします。辞書は完成まで15年もかかる大変なものだったのです。

毎日たくさんの言葉と向かい合い、触れ合って、大切にしている様子がわかります。言葉の真に迫ったものだけが言える台詞だと思いました。作り手の熱い気持ちが伝わる台詞です。

 

時代の流れ

 

日本アカデミー賞、最優秀賞受賞の映画「舟を編む」で知った辞書の作り方4

この映画の時代設定は1995年です。PHSが流行りだした時代になります。パソコン(Windows95)や携帯電話の復旧にともない、新しい言葉や概念がどんどん生まれました。

映画を見ていて、久々に聞く言葉たちに笑ってしまいました。

MK5、コギャル、チョベリグ、BL…

言葉に限らず、新しく生まれるものもあれば消えていくものもあります。辞書もまた新しい時代を迎えようとしていました。

 

 

監督:石井裕也

脚本:渡辺謙作

キャスト:松田龍平、宮崎あおい、オダギリギョー、黒木華、小林薫、加藤剛

製作年:2013年

製作国:日本

上映時間:133分

 

映画「許されざる者」リメイク版が骨太な理由と感想

 

江戸時代から明治へ
侍の時代が終わろうとしていた
新政府による幕府の残党狩りは執拗で、蝦夷と呼ばれた北方の未開地にまで及んだ
敗れた者は、どこまでも追い詰められる
〜李相日監督「許されざる者」

 

幕府の刺客で人斬りとして名を轟かせた釜田十兵衛(渡辺謙)は幕府崩壊後、新政府から隠れるように蝦夷の地でひっそりと暮らします。刀の必要ない生き方を教えてくれた妻に先立たれた十兵衛は幼い子供二人を育てるために賞金のかかった二人の男を殺しに行くことを決意します。二度と人は斬らないと誓った十兵衛のとった行動とは…。

 

明治初期の武士とは

 

映画「許されざる者」リメイク版が骨太な理由と感想

明治9年に廃刀令が発せられ刀の携帯が出来なくなりました。以前から帯刀は実戦で使われることが少なく、武士(士族)の身分の証しとして携帯していることが多かったそうです。なので廃刀令があってからは武士を否定することにつながり存在意義を見失いました。反発した者の中には刀を肩で担いで歩いたりしたそうです。武士の特権階級をなくし四民平等を導入して国民皆兵を実現させるためで、日本が近代戦で勝つために取った政策です。

 

物語を骨太にする北海道の地

 

映画「許されざる者」リメイク版が骨太な理由と感想3

この映画は始まって5分経たずに物語に引き込まれました。他の日本映画と比べ物にならないぐらい骨太に感じたのです。理由は蝦夷という地。明治初期はまだ開拓地で様々な問題が物語を通してわかります。先住民族のアイヌも大きく関わり、この土地で生きていくことの複雑さが見えます。大自然の美しさや過酷な寒さも作品をより一層厚みなあるものにしていると思いました。

そして、残党狩りと生死のサバイバルをくり返しながら逃げてきた十兵衛。かつて人斬りと恐れられた者が最も恐れたものとは…。人の命の重さに触れた重みのある映画です。

 

 

監督:李相日

脚本:李相日

キャスト:渡辺謙、佐藤浩市、柄本明、柳楽優弥、忽那汐里、小池栄子

製作年:2013年

製作国:日本

上映時間:135分

 

衝撃的な結末をどう理解するか、濃厚な夫婦愛を描いた映画「さよなら渓谷」感想

監督:大森立嗣

脚本:高田亮、大森立嗣

キャスト:真木よう子、大西信満、大森南朋、鈴木杏、井浦新、新井浩文、鶴田真由

製作年:2013年

製作国:日本

上演時間: 116分

 

あらすじと見所

 

この衝撃的な結末をどう理解するか、濃厚な夫婦愛を描いた映画「さよなら渓谷」感想2

緑がきれいな静かな渓谷で幼児が殺害される事件がおきた。逮捕されたのは幼児の母親で、事件は全て解決したかと思われた。しかし、隣に住む尾崎俊介(大西信満)が その母親と不倫しており共犯の可能性があると証言される。その証言者とは俊介の妻かなこ(真木よう子)であった。はたして事件の真相は…。そして、二人の夫婦の関係はどんなものなのか。衝撃的な二人の過去が事件解決の鍵を握る。

原作は芥川賞作家の吉田修一。モスクワ映画祭・コンペティション部門で審査員特別賞受賞した作品。夫婦の愛の形を描いたドラマです。一度引き込まれたら目を離すことが出来なくなる夫婦関係で、見終わった後はかなり体力を消費させられました。深くて重いお話なので気分は明るくなりませんが、終わった後の感想が絶えない作品です。あなたはこの夫婦の愛の形に共感できるでしょうか?カップルにおすすめの映画です。

 

モスクワ国際映画祭

 

1998_keikoku

Wikipediaより

モスクワ国際映画祭(モスクワこくさいえいがさい、Moscow International Film Festival、Московский Международный Кинофестиваль)は、ロシアのモスクワで2年に1度開かれる映画祭(1959年-、1935年と2000年は例外的に実施)。国際映画製作者連盟(FIAPF)公認の長編映画祭(Competitive feature film festival)であり、世界四大映画祭のひとつ。部門には最優秀作品賞(Golden st.George)、審査員賞、監督賞、男優賞、女優賞などの他に、国際批評家協会賞などもある。

モスクワ国際映画祭はカンヌ、ベルリン、ヴェネツィアと並ぶ世界四大映画祭です。今回「さよなら渓谷」が受賞したコンペティション部門、審査員特別賞はグランプリに次ぐ賞で、日本では羽仁進監督「手をつなぐ子等」の48年ぶりの快挙です。

 

二人の愛の形をどう受け止めるか

 

この衝撃的な結末をどう理解するか、濃厚な夫婦愛を描いた映画「さよなら渓谷」感想3

この映画の面白いと思ったところは観ているお客さんが二人の愛をどう受け止めるか人それぞれ違うのではないかと思ったことです。壮絶な過去がある二人に本当に愛はあったのか?最後の結末は愛情ある行為なのか?この二人の過去がどうあれ、僕は愛し合っていたと思います。理屈では理解できない愛です。最後の最後までお互いを理解出来なかったように感じましたが、そこが妙に人間らしく生々しかったです。この二人には普通の人が感じる愛以上の何かを感じ合っていたのかも知れません。

笑いの大切さを教えてくれる三谷幸喜脚本の人気演劇作品、映画「笑の大学」感想

監督:星護

脚本:三谷幸喜

キャスト:役所広司、稲垣吾郎

製作年:2004年

製作国:日本

上演時間:121分

 

あらすじと見所

 

笑いの大切さを教えてくれる三谷幸喜脚本の人気演劇作品、映画「笑の大学」感想2

昭和15年、浅草の劇団、笑の大学の座付き作家、椿一(稲垣吾郎)は新作の上演許可をもらうべく警視庁保安課検閲係の向坂睦男(役所広司)に台本を持って行く。真面目な向坂睦男は一度も笑ったことがなく、喜劇の台本になかなか許可を出しません。許可がもらえず何度も台本を書き直すうちに、ついに完璧な笑える台本が完成します。そして夢にまで見た上演許可が降りるのだが…。

この作品はほとんど二人による芝居で出来ていることと、一つの部屋を中心に撮られているため舞台演劇を見ている錯覚になります。斬新な撮影方法と独特なコメディーが合わさって、他の映画とはひと味違う魅力があります。笑いと感動が詰まった作品です。

 

昭和15年の時代背景

 

笑いの大切さを教えてくれる三谷幸喜脚本の人気演劇作品、映画「笑の大学」感想4

昭和6年の満州事変から昭和20年の太平洋戦争終結までの紛争を十五年戦争と言われていますが、この映画の舞台となっている昭和15年は戦争色が強くなった年かもしれません。一般の暖房電熱器や冷蔵庫などの電気器具の使用が禁止されます。お米やマッチの配給が始まり「ぜいたくは敵だ」と呼び掛け都内では1500本もの立看板が設置されたそうです。

芸事にも変化が現れました。カタカナを使った芸名は改名させられ16名が槍玉にあげられてます。理由は皇室や神社の尊厳を汚す恐れがあるからなどだそうです。映画を見ていただければ分かりますが、非常に活動しにくい時代です。

昭和14年9月に第二次世界大戦勃発、昭和15年9月に日独伊三国同盟成立、昭和16年12月真珠湾攻撃と戦争は世界中で拡大していきます。

 

だからこそ、笑いが必要な世の中

 

笑いの大切さを教えてくれる三谷幸喜脚本の人気演劇作品、映画「笑の大学」感想

常に死と隣り合わせの時代です。やりたいことに制限が出てしまい、夢を諦めなければいならないことは非常に残念です。僕は苦しい時こそ娯楽は必要であり楽しむための時間を作るべきだと思います。どうしても喜劇を上演したい脚本家の椿一とそれを許さない検閲官の向坂睦男の二人芝居ですが、時代に負けない椿一の熱い気持ちに感動します。創り手の志がとても素敵です。そんなストーリーでありながら、この作品はコメディーで観ることができます。何度も笑ってしまううちに、人間の感情の喜の大切さに気付きます。

かわいいゆるキャラ出現?映画「パンズラ・ビリンス」の色々な解釈とレビュー

監督:ギレルモ・デル・トロ

脚本:ギレルモ・デル・トロ

キャスト:セルジ・ロペス、マリベル・ベルドゥ、イバナ・バケロ、ダグ・ジョーンズ、アリアドナ・ヒル

製作年:2006年

製作国:スペイン・メキシコ合作

上映時間:119分

 

あらすじと見所

 

かわいいゆるキャラ出現?映画「パンズラ・ビリンス」の色々な解釈とレビュー2

1944年、スペインの内戦を舞台に迷宮へと足を踏み入れた少女が3つの試練に挑戦するダーク・ファンタジー。非現実世界では気持ち悪くも、かわいい?クリーチャーたちが作り出すファンタジックな世界があります。一方、現実の世界では誰もが逃げ出したくなるような悲惨で不条理な殺し合いが行われる世界です。この2つが混ざったダークでファンタジーな作品は見ていて斬新です。あっという間に不思議な世界へと連れて行ってくれます。殺し合いがとてもエグいので苦手な方はご注意ください。少女の成長を描いた映画ですが、テーマがとても深いところにあり見終わった後は思わず考えさせられます。ラストには色々な解釈が出来るのも、この映画の魅力かもしれません。

 

不思議な感覚を味わえる映画

 

かわいいゆるキャラ出現?映画「パンズラ・ビリンス」の色々な解釈とレビュー6

はじめて見るタイプの映画でした。痛々しいシーンや残酷なシーンが多くあり目を背けたくなります。挙げ句の果てに気持ちの悪い昆虫や妖精がたくさん出て来て眉間にシワを寄せっぱなしで見てしまいました。しかし、それを含めてこの映画の魅力と感じてしまうところは不思議です。そういう経験も有意義だと思いました。

 

色々な解釈ができるエンディング

 

かわいいゆるキャラ出現?映画「パンズラ・ビリンス」の色々な解釈とレビュー4

ネタバレになってしまいますが、ラストの解釈には色々あると思いました。この作品は ハッピーエンドなのかバッドエンドなのか。なぜかと言うと主人公のオフェリアは最後死んでしまうのです。死んでしまったオフェリアはハッピーエンドなのかバッドエンドなのか。僕の解釈を少し書きたいと思います。僕は現実の世界(残酷な世界)と非現実な世界(平和な世界)を両方みれた人がオフェリアだと思いました。最後に平和な世界へと行けたオフェリアはハッピーエンドです。現実の世界でオフェリアは死んだあと、光に包まれ月に飛ぶのだろうと予想したのですが、消えることなく死体が虚しく残りました。悲しむ人々を見て、現実の世界はここまで救われないのかと重い気持ちになりましたが、ラストのラビリンスに入る切っ掛けの花を見てホッとしました。現実の世界が苦しくて逃げ出したい人のための優しさを感じ、あの一瞬で救われました。おそらくオフェリアはビダルのもとへ行くことを嫌がり、毎日泣いて、現実から本当に逃げたかったのだと思います。その強い気持ちがラビリンスに入る切っ掛けとなり、救われたのだと思います。なので僕はハッピーエンドに感じました。深い人間ドラマをダーク・ファンタジーで見せられたような気がします。

紛争ダイヤモンドについて考えさせられる、実話に基づいたリアリティーある映画「ブラッド・ダイヤモンド」の感想

監督:エドワード・ズウィック

脚本:チャールズ・リーヴィット

キャスト:レオナルド・ディカプリオ、ジェニファー・コネリー、ジャイモン・フンスー、マイケル・シーン、アーノルド・ボスルー

製作年:2006年

製作国:アメリカ

上映時間:143分

 

あらすじと見所

 

輝きの裏にある人間の欲深さをみた、映画「ブラッド・ダイヤモンド」

激しい内戦が続くアフリカ、シエラレオネ。元傭兵である密売人ダニー・アーチャー(レオナルド・ディカプリオ)は現地で漁師をしているソロモン(ジャイモン・フンスー)に巨大なピンク・ダイヤの在り処を聞く。反政府軍とピンク・ダイヤを巡る争いが激しくなる中、ジャーナリストのマディー(ジェニファー・コネリー)は反政府軍の資金源となっているブラッド・ダイヤモンドの真相に迫る。はたしてピンク・ダイヤは誰の手に。そして激化する地域紛争を止めることはできるのか。

実話に基づいたブラッド・ダイヤモンドの真相に迫った映画です。社会派サスペンス映画ですが難しくありません。アクションシーンも見応えがあるのでエンターテインメントとして楽しめます。2006年度アカデミー賞では主演男優、助演男優、音響編集、録音、編集と5部門にノミネートされています。

 

ブラッド・ダイヤモンドとは

 

輝きの裏にある人間の欲深さをみた、映画「ブラッド・ダイヤモンド」

Wikipediaより
紛争ダイヤモンド(ふんそうダイヤモンド、フランス語: Diamants de conflits、英語: Blood diamond)とはシエラレオネなど内戦地域で産出されるダイヤモンドをはじめとした宝石類のうち、紛争当事者の資金源となっているもの。 血塗られたダイヤモンド (blood diamond)、汚れたダイヤモンド (dirty diamond)、戦争ダイヤモンド (war diamond)とも呼ばれる

この映画ではアフリカ、シエラレオネを舞台にしていますが、実際、このような紛争はたくさんの国でおきています。反政府軍がダイヤモンドを紛争の資金とし、武装を整えるので戦いが長引きます。ダイヤモンドを採取する労働者は現地のアフリカ人で、強制的に奴隷のように働かされます。

 

阻止するのは消費者

 

輝きの裏にある人間の欲深さをみた、映画「ブラッド・ダイヤモンド」3

ダイヤモンドを中心にたくさんの人々が犠牲になっていることを知りました。実際はお金が欲しいために犠牲者を生むのだと思いますが、これ程までに殺し合いが行われている世の中は怖いと思いました。映画の最後に「阻止するのは消費者である」の言葉はとても責任を感じました。僕たち消費者が何も考えずに購入している物が、実は大変な物だったりすると言うことです。人間の欲はとても恐ろしいものです。

最後の最後まで考えさせられる映画でしたが、レオナルド・ディカプリオとジャイモン・フンスーの血管が切れるのではないかと思わせる鬼気迫る演技は凄いです。ガチンコのバトルの連続です。

 

 

死刑執行の補佐に与えられる休暇とは、刑務官と死刑囚の人間ドラマを描いた映画「休暇」の感想

監督:門井肇

脚本:佐向大

キャスト:小林薫、西島秀俊、大塚寧々、大杉漣、柏原収史

製作年:2008年

製作国:日本

上映時間:115分

 

あらすじと見所

 

死刑のあとの休暇とは、映画「休暇」2

独身の刑務官、平井(小林薫)に縁談が持ち込まれる。相手はシングルマザーの美香(大塚寧々)。二人の関係は順調に行くものの、美香の一人息子、達哉とは未だに打ち解けずにいた。結婚間近になり、新婚旅行と達哉との距離を縮めたい平井はまとまった休暇を取る為に支え役を志願することにした。職場の同僚から反感を買った支え役とは一体何か。死刑に立ち会う刑務官の苦悩を描いた人間ドラマ。

刑務所内の出来事がリアルに描かれています。死刑囚の死を待つ心境と、人を裁かなければならない刑務官の心境が見ていて辛いです。重い人間ドラマですが、物語は淡々と進みます。怖いぐらい静かに進む物語に緊張します。

 

支え役に与えられる一週間の休暇

 

死刑のあとの休暇とは、映画「休暇」4

この映画では絞首刑がどのように行われるかが分かります。衝撃的だったことは執行の際、落ちてきた身体を支える「支え役」が二人もいるということです。支え役は死刑台の床が開かれる下で待ち構えています。その心境を想像しただけで大変な仕事だとわかります。そして、落ちてきた身体が暴れないようにしっかりと支えるのです。暴れる力や時間は人それぞれ違いますが二人掛りで抑え静まる時を待ちます。勤めた後は支え役に一週間の休暇が与えられます。

 

生かすも殺すも人間が決めること

 

死刑のあとの休暇とは、映画「休暇」3

この映画では誰も死刑を望んでいません。死刑囚も必死に生きようとしています。なので、考えてしまうことは全ての人が納得する刑罰はないかということです。被害者遺族、加害者、刑務官、国民が納得出来る刑罰です。それは不可能だとしても、日々おこる犯罪に対して耳を傾け、死刑に対しての深い知識を皆で持った時に初めて死刑が無くなるのではないかと思いました。生きようと必死になっている人の命を奪わなければならない死刑は本当に必要なのか考えてしまいます。

 

 

報道で伝えきれなかった遺体安置所での真実、映画「遺体 ~明日への十日間」感想

この映画はジャーナリスト石井光太が実際に目撃し、取材した事実に基づいて出来ています。東日本大震災が起きてから十日間、岩手県釜石市の遺体安置所を舞台にした真実の映画です。報道では伝えきれなかった事実を映し出します。

 

映画から伝わる強い想い

 

遺体2

以下、公式サイト「遺体 〜明日への十日間」より

君塚良一監督
この映画はすべて事実に基づいています。モデルの方やご遺族の方々にお会いしました。取材ではなく、「こういう映画を作ろうと思いますが、どう思いますか」という事を気持ちだけで聞きました。もしひとりでも映画化に反対の意見があれば、それはやめようと思っていました。震災から半年くらいの時期でしたが、みなさん疲れている感じや、ニュースも徐々に減っていき少し孤立した感じもうかがえました。ますます「風化させてはいけないな」という思いありました。

この映画を見ていると他の映画にはない気迫を感じます。現地で起きた真実を伝えなければならないという使命感の様なものです。その強い使命感はカメラに映らないスタッフからも気として出ているような気がします。君塚監督が映画を通して伝えたかった想いは、モデルの方やご遺族の方々の理解と協力があってこそだと知り、映画に関わった方々の深い絆を感じました。

 

知られざる事実

 

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皆さまは遺体安置所での出来事をどこまで想像できるでしょうか。この映画は僕の想像を遥かに超えるものでした。次々に運び込まれる泥まみれの遺体。ブルーシートや毛布に包まれて無造作に置かれます。地元の医師、歯科医は遺体の身元判明のために働きます。市の職員、ボランティアスタッフは遺体を遺族に返すため、安置所をきれいに掃除します。

西田敏行さん演じる相葉常夫はボランティアスタッフとして遺体安置所で働きます。死体をご遺体と呼び、生きている人間と同じように愛情ある接し方をします。相葉常夫は「遺体とは生きている人と同じように接しなさい。遺体は話しかけられると、人としての尊厳を取り戻す」と安置所のスタッフに呼び掛け、バラバラだったスタッフの心を一つにしていきます。

 

釜石高等学校での上映会

 

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岩手県釜石市内の釜石高等学校での上映会ではたくさんの市民の方々から感想が寄せられました。「遺体 明日への十日間」公式サイトでご覧になれます。この映画は人々に何をもたらしたかが分かります。